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オンラインビデオの状況に関する調査 – 2019年

本調査はライムライト・ネットワークスが行っている一連の調査の一部であり、 デジタルコンテンツについてのコンシューマの認知と行動について、 世界のデータと日本の特徴をまとめたものです

調査の概要

 

世界最大規模のプライベート・ネットワーク経由で配信されるコンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN)を提供するライムライト・ネットワークスは、オンラインでのビデオ視聴習慣および意見に関して継続的に調査を行っています。今年も日本、フランス、ドイツ、インド、イタリア、シンガポール、韓国、英国、および米国の、週に1時間以上オンラインビデオを視聴する18歳以上の4,500人を対象にアンケートを実施し、その結果から、グローバルの傾向と日本の特徴についてまとめました。

 

要点

 

• グローバルに見ると、オンラインビデオの週平均視聴時間は増加しており、2018年の6.75時間から今年は6.8時間になりました。
• 従来の放送(テレビ、ケーブル、衛星)の視聴時間はグローバルで減少し続けています。
• ビンジウォッチング(まとめ視聴)は日本でも増えており、日本は米国についで調査国中第2位でした。
• オンラインビデオの視聴デバイスとして、初めてスマートフォンがPCを抜いて第1位になりました。
• 回答者の6割が、遅延がなければスポーツのオンラインストリーミングを視聴すると答えました。
• ビデオ視聴における不満を聞いたところ、リバッファリング(再生中にデータ読み込みのためにビデオが停止すること)と答えた回答者が最も多く、日本も同様でした。
• 世界的にNetflixやHuluなどのSVOD(サブスクリプション型ビデオオンデマンド)サービスが成長しており、一つ以上のサービスを契約している人は70.4%になりました。日本の契約率も昨年よりも5ポイント以上増え、6割近くが一つ以上のSVODサービスを契約していると回答しています。
• SVODサービスを解約する理由は「サービスの提供価格が高い場合」で、日本でも同じ結果でした。しかし日本では、デバイスサポートやコンテンツにも拘りがあるようです。
• オンラインビデオの視聴者の多くはストリーミングサービスのWebサイトで番組を検索するか、家族や友人からのお勧めを参考にしています。

 

オンラインでのビデオ視聴時間は年々伸びている

 

世界的に見ると、オンラインでビデオを視聴する時間は毎年長くなっています。今年の平均は6.80時間/週で、これは昨年よりも増えています。

 

図1: 毎週どれくらいの時間を、オンラインでビデオを視ることに使っていますか?

 

 

全世界で進む「テレビ離れ」

 

テレビ放送の視聴についての詳しいデータを見ると、日本はテレビ放送、ケーブル、衛星を「全く視ない」が17.6%で最も多く、週に4時間未満しか視ない人が全体の6割を占め、最もテレビ離れが進んでいることが伺えます。

 

図2: 毎週どれくらいの時間を、放送、ケーブルテレビ、衛星放送でビデオを視ることに使っていますか?

 

 

ネットでのビンジウォッチングが増加

 

ネットで連続ドラマなどを長時間まとめて視聴するビンジウォッチングは、世界中で増えています。日本は平均視聴時間でグローバル平均を上回っており、米国に次いで第2位です。日本の特徴は、長時間続けて視る人が多いことで、一度に10時間以上見続けると回答した人が4.8%でした、これはグローバル平均の2倍以上であり、第1位でした。

 

図3: 1回にどれくらいの時間ビンジウォッチング(まとめ視聴)しますか?

 

 

スマホがコンピュータを抜いて第1位の視聴デバイスに

 

オンラインビデオの視聴デバイスとして、初めてスマートフォンがPCを抜いて第1位になりました。これは日本でも同じで、世界的なモバイルへのシフトは、ライブストリーミングの多くの側面に影響を及ぼすでしょう。

 

図4: オンラインビデオの視聴にどのデバイスを最もよく使いますか? (0-4で回答)

 

 

視聴者はスポーツ中継のリアルタイムストリーミングを望んでいる

 

全体の6割弱の回答者が、遅延がなければスポーツのオンラインストリーミングを視聴すると回答しており、これは昨年とほぼ同じです。日本では半数を割っていますが、それでも根強い要望があることがわかります。

 

図5: テレビ放送と同時に視られる(遅延しない)としたら、
ライブのスポーツイベントをストリーミングで視てみたいと思いますか?

 

 

ビデオ視聴における最も大きな不満はリバッファリング

 

ビデオ視聴における不満を聞いたところ、リバッファリング(再生中にデータ読み込みのためにビデオが停止すること)と答えた回答者が最も多く、日本も同様でした。ビデオのリバッファリングを許容する視聴者は年々減っており、視聴者が我慢できるリバッファリング回数は、2016年の2.7回から2019年の2.2回に19%減少しました。しかし日本では、ビデオ再生開始までの遅延を挙げた回答者がグローバル平均よりも多くなっています。さらに、幅広いデバイスに対応していない点について不満を挙げた回答者は世界最多でした。

 

図6: オンラインでビデオを視聴する際に最も不満に思うことは何ですか?

 

 

全体の7割がSVOD(サブスクリプション型ビデオオンデマンド)

サービスを一つ以上契約

 

NetfrixやAmazon PrimeなどのSVODサービスはグローバルで成長しており、一つ以上のサービスを契約している人は昨年10%以上増え、70.4%になりました。日本の契約率も昨年よりも5ポイント以上増え、6割近くが一つ以上のSVODサービスを契約していると回答しています。

 

図7: 有料のビデオサービス(Netfrix、Amazon Primeなど)をいくつ契約していますか?

 

 

SVODサービスを解約する理由の1位は価格、日本はコンテンツにも拘る

 

SVODサービスを解約するとしたらどのような理由によるかを聞いたところ、「サービスの提供価格が高い場合」を挙げた回答者が最も多く、日本でも同じ結果です。しかし日本では、「視聴したいと思っているデバイスの全てがサポートされていない場合」を挙げた回答者がグローバル平均よりも圧倒的に多くなっています。また日本では、「見たいコンテンツを探すのが大変な場合」を挙げた回答者も平均よりも高くなっています。

 

 

図8: オンラインストリーミングの視聴契約を解約するのは、どの場合ですか?

 

 

視聴者はストリーミングサイトでコンテンツを探す

 

複数のサービスを契約していても、それらを横串で検索することはできません。視たいコンテンツを見つけられないことが視聴者の不満に繋がっています。グローバルでも日本でも、ストリーミングサービスのサイトで探すと答えた人が最多でした。日本では家族や友人のお勧めよりも、サービスからのお勧めやニュースを参考にすると回答した人が多くなりました。

 

図9: オンラインで連続ドラマや映画を視聴する際に、どのようにしてコンテンツを見つけますか?

 

 

結論と提言

 

以上、日本の特徴を中心に調査の内容をご紹介してきましたが、日本の視聴者はテレビ離れが進む一方でオンラインのビンジウォッチングに長い時間をかけており、ビデオの視聴に際してはデバイスのサポート、コンテンツの充実、そして配信遅延やリバッファリングに厳しいという結果となりました。また、複数のサービスを横断してコンテンツを検索できるような新しいツールが望まれています。コンテンツディストリビューターは、デバイスや場所に関係なく最高の視聴体験を提供するために、以下を考慮する必要があります。

 

多様なデバイスをサポート

視聴環境は常に変化しています。日本では特に、使いたいデバイスがサポートされていない場合にSVODを解約する意向が強く、多様なデバイスをサポートするとともに、デバイス間で一貫したエクスペリエンスを実現する必要があります。そのためには、ビデオを正しい形式でデバイス毎に自動的にパッケージ化し、配信を簡素化するビデオサービスの利用が有効です。

 

高品質のモバイル視聴体験を提供

スマホの利用がPCを抜き、コンテンツプロバイダーがモバイルにフォーカスすることは、これまで以上に重要です。日本国内でもブロードバンドインフラには地域差があり、モバイル接続は帯域幅や遅延の変化にさらされます。ネットワークの状態が変化することでビデオがリバッファリングされる可能性があり、リアルタイムの環境変化を継続的に監視し、配信を最適化するソリューションが必要です。

 

リアルタイムのライブコンテンツを低遅延で配信

ライブビデオストリームの視聴は、スポーツ、オンラインオークション、ギャンブル、eスポーツ全体で世界的にも人気が高まっており、低遅延のライブビデオ配信を望む声は6割弱に達しています。日本ではまだ比較的少ないですが、今年は国際的なイベントが多かったため、今後は要望が増えていくことが予想されます。これらの視聴者を取込むために、サブセカンドの低遅延で視聴者にコンテンツを配信できるライブストリーミングを提供する必要があります。