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オンラインビデオの状況に関する調査 – 2018年

本調査はライムライト・ネットワークスが行っている一連の調査の一部であり、 デジタルコンテンツについてのコンシューマの認知と行動について、 世界のデータと日本の特徴をまとめたものです

概要

 

世界最大規模のプライベート・ネットワーク経由で配信されるコンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN)を提供するライムライト・ネットワークスは、オンラインでのビデオ視聴習慣および意見に関して継続的に調査を行っており、今年も日本、フランス、ドイツ、インド、イタリア、フィリピン、シンガポール、韓国、英国、および週に1時間以上オンラインビデオコンテンツを視聴する18歳以上の米国人、合わせて5,000人のコンシューマを対象にアンケートを実施しました。その結果から、グローバルの傾向と日本の特徴についてまとめました。

 

オンラインでのビデオ視聴時間は年々伸びている

 

世界的に見ると、オンラインでビデオを視聴する時間は毎年長くなっています。今年の平均は6時間45分/週で、これは昨年よりも1時間多く、2016年と比べると2時間半増えています

 

図1: 毎週どれくらいの時間を、オンラインでビデオを視ることに使っていますか?(2016-2018)

 

図2: 毎週どれくらいの時間を、オンラインでビデオを視ることに使っていますか?

 

日本ではテレビ放送の視聴時間はビデオよりも多いですが、それでも世界では最低です。日本の視聴者のテレビ離れが加速していることが伺えます。

 

図3: 毎週どれくらいの時間を、オンラインでビデオを視ることに使っていますか?

 

テレビ放送の視聴についての詳しいデータを見ると、日本はテレビ放送、ケーブル、衛星を「全く視ない」が22%で最も多く(2位のイギリスの2倍近く)、週に4時間未満しか視ない人が全体の6割を占め、テレビ離れが世界一進んでいることが伺えます。

 

図4: 毎週どれくらいの時間を、放送、ケーブルテレビ、衛星放送でビデオを視ることに使っていますか?

 

 

視聴者はスポーツ実況のリアルタイムストリーミングを望んでいる

 

全体の6割の回答者が、遅延がなければスポーツのオンラインストリーミングを視聴すると回答しています。日本では半数を割っていますが、それでも根強い要望があることがわかります。

 

図5: テレビ放送と同時に視られる(遅延しない)としたら、ライブのスポーツイベントをストリーミングで視てみたいと思いますか?

 

この傾向は若年層ほど強くなります。(グローバルのデータ)

 

図6: テレビ放送と同時に視られる(遅延しない)としたら、ライブのスポーツイベントをストリーミングで視てみたいと思いますか?

 

 

ネット対応テレビでオンラインビデオを視聴するのが世界の主流

 

オンラインビデオを視聴するためのデバイスとして世界で最も多かったのが、ネット対応テレビ(スマートテレビ)でした。

図7: テレビでオンラインビデオを視聴する際、どのデバイスを利用しますか? (利用するデバイス全てを選んでください)

 

しかし日本ではネット対応テレビでオンラインビデオを視聴していると答えた回答者は11%に過ぎず、突出して低い値となりました。一方で、Fire TV、Apple TVやゲーム機で視聴していると回答した人はグローバル平均よりも多く、多様なデバイスを活用していることが伺えます。

図8: テレビでオンラインビデオを視聴する際、どのデバイスを利用しますか? (利用するデバイス全てを選んでください)

 

 

半数以上がSVOD(サブスクリプション型ビデオオンデマンド)サービスを契約している

 

世界的にSVODサービスが成長しており、グローバル平均では6割近くがSVODサービスを契約しています。日本の契約率は最 も低いですが、それでも半数以上がひとつ以上のSVODサービスを契約していると回答しています。

図9: 有料のビデオサービス(Netfrix、Amazon Primeなど)をいくつ契約していますか?

 

 

SVODサービスを解約する理由の1位は価格だが、日本ではコンテンツに拘る

 

SVODサービスを解約するとしたらどのような理由によるかを聞いたところ、グローバルではサービスの提供価格を挙げた回答者が55%と最も多かったのに比べ、日本では「コンテンツに魅力が無い場合」が最も多く、価格よりもコンテンツを重要視していることがわかりました。また、「視聴したいと思っているデバイスの全てがサポートされていない場合」を挙げた回答者がグローバル平均よりも圧倒的に多くなっています。

図10: オンラインストリーミングの視聴契約を解約するのは、どの場合ですか?

 

 

ビデオ視聴における最も大きな不満はリバッファリング

 

オンラインビデオの視聴に際して最も不満を感じる点を聞いたところ、リバッファリングにより再生が途中で止ることを挙げた回答者が最も多く、日本でも同じ傾向でした。しかし日本では、ビデオ再生開始までの遅延を挙げた回答者がグローバル平均よりも多くなっています。さらに、幅広いデバイスに対応していない点について不満を挙げた回答者は世界最多でした。

図11: オンラインでビデオを視聴する際に最も不満に思うことは何ですか?

 

リバッファリングが何回起きたら視聴を止めるか、という質問に対する回答を平均すると、2.2回という値が出ました。この値は年々減少しており、視聴者は寛容でなくなっていることがわかります。

 

図12: オンラインビデオでのリバッファリングが何回起きると、視聴を止めますか?

 

 

結論と提言

 

以上、日本の特徴を中心に調査の内容をご紹介してきましたが、日本の視聴者はオンラインビデオの視聴時間は短い一方でテレビ離れは進んでおり、視聴に際しては遅延や中断に厳しいという結果となりました。ライムライトからの提言は以下の通りです。

 

• 日本ではオンラインビデオの視聴時間がグローバルに比べて短い一方で、テレビ離れは進んでおり、日本でも今後オンラインビデオの視聴が伸びる可能性が残されています。その際、グローバルで人気の高いスマートテレビではなく、Fire TVやApple TV、ゲーム機などのテレビに外付けするデバイスでの視聴が中心になると考えられます。

 

• グローバルの6割、日本でも半数近くが遅延のないスポーツ実況を望んでいます。テレビ放送との配信の差を埋めることで、より多くの視聴者をオンラインに惹きつけることができます。

 

• ビデオ視聴における最大の不満は、リバッファリングによる再生の中断です。しかも視聴者は年々これに厳しくなっており、リバッファリングを最小に抑えるためのソリューションの導入が急務です。

 

• また日本では、配信開始までの遅延を問題視する回答者も多く、ライブストリーミングの遅延同様、対策が急がれます。

 

• 視聴者が不満に感じることの中で「自分が使っているデバイスでコンテンツを見ることができない」がグローバル平均の2倍で世界最多となっており、多様なデバイスへの対応が遅れていることが示唆されています。様々なデバイスにコンテンツを提供できるよう、システムとワークフローを見直す必要があります。