< ライブ配信技術をリードする提案を聞く >
新生コロナウイルスの影響で、さまざまな社会基盤が揺らぐ一方、必要度が高まっているのがオンラインの活用だ。「1秒以下の超低遅延」ライブ配信ソリューションで知られるライムライト・ネットワークス(以下、ライムライト)は、2020年3月上旬に自社のCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)のコンテンツ配信能力の70%増強を発表。「コロナ禍」に見舞われる中、加速度的に増大するオンライントラフィックへの対応にも十分な対策を表明するなど、その底力を示している。
再確認される「オンライン」の意義
新型コロナウイルスの影響によってイベント自粛が指摘され始めた2月から3月にかけて、ライムライトは就活学生向け企業説明のライブ配信事業を全面的に支援した。参加企業は数百社、受講を希望する学生は数万人規模といわれる就活イベントのライブ配信の実現には、単に「インフラを貸せばいい」では終わらない。ライムライトはネットワーク基盤の提供はもとより、ネットワーク状況のモニタリングから円滑なライブ配信のためのスケジューリングまで、文字どおり「全面的に」支援。数週にわたる説明会イベント配信を成功へと導いた。
「新入社員の確保は企業にとって重要な活動であり、説明会はBCP の観点からも欠かすことができないイベントです。このような時期だからこそ、全力でお手伝いさせていただきました」(ライムライト・ネットワークス・ジャパン株式会社 日本法人代表・田所隆幸氏)。
ライムライトでは、こうしたオンライン活用の動きを教育などの分野でも広く展開させる構えだ。すでに学習塾などを中心に相談を受けており「数週間も小中学生が授業を受けられないことを防ぐために、オンライン活用の整備を進めていくことが重要です」と言う。
技術力が支えるライブ配信へのこだわり
ライムライトのライブ配信ソリューションと言えば、WebRTC を活用した「1 秒未満の超低遅延配信」が注目を集めているが、こうした独自の技術について、「2001 年の創業当初からライブ配信に特化してきたという実績にある」と田所氏は話す。
「より大きなコンテンツ、つまりビデオをライブ配信することを想定してアーキテクチャを開発してきました。その結果としてさまざまな経験値を有しており、それらをCDN にインプリメントさせ、WebRTC をベースにした独自技術の開発に結びつけてきました」。
同時に、「配信能力の70%増強」を含めた投資・進化の継続は、ライムライトが最も大切とする取り組みだ。「4K・8K のような映像ファイルの巨大化はもちろん、さらなる低遅延や多様・多岐にわたるデバイスへの対応、高品質化の追求など、CDN に求められるニーズに終わりはありません。ライムライトはエッジサーバを全世界に配置するだけなく、投資と進化を継続することでニーズに応え続けているのです」と田所氏は強調する。
「Limelight EdgeFunctions」で新たな展開
CDN のさらなる進化を目指す中でライムライトが注力するのは「Limelight EdgeFunctions」だ。従来はクラウドで走らせていた機能の一部をCDN のエッジ側で引き受けることでレスポンスの高速化などを狙う。「パブリッククラウドが定着しつつある中で、特定のコードなどについてはクラウドで走らせるよりもCDN のエッジで走らせた方が効率的という認識が広がりつつあります。まず、EdgeFunctions の下地を構築し、単なるCDN 業者ではなく、IoT を見据えたエッジコンピューティングベンダーを目指していきます」と田所氏は展望する。
さらなる高品質化や低遅延などのニーズに継続して対応しつつ、EdgeFunctions などの新たな要素でCDN の展開力を高めていく。世界がコロナ禍に見舞われる中、それでも力強く前進していく姿がここに、ある。