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ニューノーマルなワークスタイルへの変化

ニューノーマルなワークスタイルへの変化

 

COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大は、世界中に在宅勤務のムーブメントを巻き起こしました。この動きは今後定常化すると考えられ、リモートワークはニューノーマル時代のワークスタイルになることが期待されています。また、リモートワークへの急激な移行により、組織はバーチャルコラボレーションを支えるコンテンツ配信や動画ストリーミングの機能・役割を再評価する必要に迫られています。

ライムライト・ネットワークスでは、2020年7月にアジアの4ヵ国(ロックダウンの際にリモートワークを行ったと回答した日本、韓国、シンガポール、インドの1,000人のプロフェッショナル)を対象とした調査を行い、その結果をまとめました。その中から、日本の回答に焦点を当てた主な結果を以下の通りまとめました。

 

 

主な調査結果

 

・日本の回答者の約8割が「リモートワークへの移行に際して、システム的な問題はなかった」あるいは「すぐに対処された」と回答しました。

・日本では約6.5割が「リモートワークの方が生産性が向上する」、3割が「リモートワークで労働時間が減少した」と回答しました。

・日本はネットワークが安定しており、リモートワークに適した環境にあることが判明しました。

・リモートワークで不満を感じるのは「オンラインビデオ会議中に遅延や中断が起こるとき」でした。

・「テクノロジーは対面のコミュニケーションを代替できるか」については、対面への願望が根強いことがわかりました。

・今後のワークスタイルとして、リモートワークとオフィス勤務の柔軟な組み合わせを望む人が約半数でした。

 

 

ロックダウン後にニューノーマルとなるリモートワークにとっては堅牢な技術的インフラが重要

 

日本の約8割が「リモートワークへの移行に際して、システム的な問題はなかった」あるいは「すぐに対処された」と回答

 

「緊急事態宣言によるリモートワークへの移行に際し、会社が用意したシステム環境は万全だったか」を尋ねたところ、日本の約8割が「問題なかった」(40.2%)あるいは「問題があったが、すぐに対処された」(37.2%)と回答しました。対して、「リモートワークに必要なシステム環境は十分に準備されておらず、移行に多くの問題が発生した」と回答したのはわずか2割(22.6%)にとどまりました。しかしこの数値は全体平均の2倍以上で、他国よりも問題が多かったことがうかがえます。あるいは、日本のユーザーが期待するユーザーエクスペリエンスの品質が高すぎたことの裏返しなのかも知れません。

 

図1 緊急事態宣言によるリモートワークへの移行に際し、会社が用意したシステム環境は万全でしたか?

 

 

日本の約7割が「リモートワークの方が生産性が向上する」、3割が「リモートワークで労働時間が減少した」と回答

 

「リモートワークの方が仕事の生産性は上がるか」を尋ねたところ、日本の約6.5割(65.2%)が「生産性が上がる」と回答しました。アジア各国ではさらにこの割合が高く、平均で約8割(79.6%)が「生産性が上がる」と回答しています。また、「リモートワークに移行して労働時間は変化したか」を尋ねたところ、日本の約3割(30.5%)が「リモートワークの方が、労働時間が短い」と回答しました。アジア平均(17.3%)と比較するとこの割合が高く、日本ではリモートワークによって生産性が上がり、勤務時間も短くなっていることがうかがえる結果となりました。

 

図2 リモートワークの方が仕事の生産性は上がると思いますか?

 

図3 リモートワークとオフィス勤務を比べて、労働時間は変化しましたか?

 

 

日本はネットワークが安定しており、リモートワークに適した環境にあると判明

 

「リモートワークによって生産性が下がった」と回答した人に対して、その要因を尋ねたところ、「ネットワーク回線が細く、接続が安定しない」と回答した人は日本で約2割(21.4%)にとどまり、各国と比較して最も少ない割合であったことが分かりました。また、「ファイルのダウンロードに時間がかかる」(日本:10.7%、アジア平均:25.9%)や「ビデオをストリーミングする際に遅延が生じる」(日本:14.3%、アジア平均:29.6%)についても日本はアジア平均よりも少ないという結果となりました。日本のネットワーク環境はアジア各国より安定しており、リモートワークに適した環境にあると言えます。また、日本ではリモートワークにおいて生産性に影響するのは、「仕事と家事の両立」と回答した人が最も多く、約3割(32.1%)が生産性に影響したと回答しました。

 

図4 リモートワークにおいて、仕事の生産性に影響を与えたのは何ですか?
(リモートワークの方が生産性が下がると回答した方/複数回答)

 

 

リモートワークで不満を感じるのは「オンラインビデオ会議中に遅延や中断が起こるとき」

 

「リモートワークにおいて不満を感じるのはどのようなときか」を尋ねたところ、「オンラインビデオ会議中に遅延や中断が起こるとき」(34.2%)と回答した人が最も多く、次いで「ファイルのアップロードやダウンロードがうまくいかないとき」(22.6%)、「ウェビナーやライブコンテンツを視聴する際のビデオ品質が良くない時」(15.9%)と続きました。ネットワーク環境は安定しているものの、企業ごとに導入するオンラインビデオ会議システムにより体験に差が生じていると言えそうです。ネットワーク環境への不満が少ないにも関わらず、リモートワークで「不満を感じたことはない」が4ヵ国中最も少ないのは、日本のユーザーの要求の高さが背景にあると考えられます。

 

図5 リモートワークにおいて、不満を感じるのはどのようなときですか?(複数回答)

 

 

対面のコミュニケーションを完全にテクノロジーで置き換えるのは難しい

 

「テクノロジーは対面のコミュニケーションに代替できるか」については、対面への願望も根強く柔軟性を求める声が多い

 

「実際に対面してのコミュニケーションをテクノロジーで代替できるか」を尋ねたところ、日本の半数以上が「テクノロジーで代替できるものの、対面も必要で、バランスが重要」(56.1%)と回答しました。

また、「同僚や関係者とリモートでコミュニケーションをとることに問題はあるか」を尋ねたところ、「リソースが確保されていない」と回答した日本の割合(15.9%)が各国と比較して最も高く、「良好なコミュニケーションをとるためのリソースやインフラが用意されていない」と感じていることが分かりました。一方で、「問題ない」と回答した人は36.6%に上り、徐々にリモートワークに対して適応しつつある様子もうかがえます。

 

図6 実際に対面してのコミュニケーションを、テクノロジーで代替できましたか?

 

図7 同僚や関係者とリモートでコミュニケーションをとることに問題はありますか?

 

 

今後のワークスタイルはリモートワークとオフィス勤務の柔軟性を望む人が約半数

新しい働き方について考えるきっかけに

 

「今後、リモートワークの継続を望むか」について尋ねたところ、日本の約半数が「状況に応じてリモートワークを選択できる柔軟性を持ちたい」(47.0%)と回答しました。一方で、「リモートワークをスタンダードにして続けたい」と回答した人の割合は28.1%と各国と比較して最も低く、また「リモートワークを続けたくない」と回答した人の割合は9.8%と最も高い結果となりました。日本においては、新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、初めてリモートワークを導入した企業も多く見受けられ、企業や個人が新たなワークスタイルを模索するようになったと考えられます。

 

図8 今後、リモートワークの継続を望みますか?

 

 

結論と提言

 

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、多くの人がリモートワークを経験し、仕事との関係や将来の職場への期待が永久に変わりました。その一方で、分散した労働力のデジタル化は雇用主にとって最優先事項です。企業は新たなワークスタイルを模索し始めていますが、リモートで作業し、同僚と共同作業するための新しいテクノロジーの力を活用するためのツールと知識を整えるためには、さらに多くのことを行う必要があります。ネットワーク帯域の問題、コンテンツのストリーミングまたはダウンロード時の遅延、作業の中断などの懸念に対処することで、企業はワークフローの中断を最小限に抑え、従業員がどこにいてもビジネスの継続性を確保できます。

 

CDNの活用

 

日本のネットワーク環境は他のアジア各国より安定しており、リモートワークに適した環境にあるという状況が明らかになりましたが、その一方でユーザーの不満も残っており、まだ環境整備が十分でないことも伺えます。今後、オンラインビデオ会議やウェビナーなどでのコンテンツの視聴への要求はさらに高まってくると予想されます。コンテンツを配信する立場の企業は、エンゲージメントを最大化できるような視聴体験をエンドユーザーに提供し続けるため、より一層の取り組みが必要となるでしょう。配信容量を拡大して、今後さらに増加すると考えられる要求を適切に処理する必要があります。CDNを効果的に利用して、高速に、安定したセキュアなコンテンツの配信を実現することが求められます。

 

 

モバイル対応

 

また、今後コンテンツ配信者は、モバイルファーストのコンテンツアプローチに重点を置く必要があります。モバイル接続は帯域幅と遅延の影響を受けることが多く、再生中にネットワークの状態が変化するとビデオが再バッファリングされ視聴体験を損なうことがあります。コンテンツ配信者は、配信状況をリアルタイムに監視および最適化できるCDNを使用することにより、これらの課題を克服でき、ユーザーは再バッファリングを最小限に抑えながら、高品質のビデオを視聴することが可能となります。