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低遅延のストリーミング技術および視聴者とのライブなインタラクティブ性(双方向性機能)が、ビデオの視聴環境を変革

低遅延のストリーミング技術および視聴者とのライブなインタラクティブ性(双方向性機能)が、ビデオの視聴環境を変革

 

ライブストリーミングへの移行がもたらす変化とは

 

ビデオのライブストリーミング配信は、スポーツのライブ中継やニュース視聴に留まらず、さまざまな業界に拡大し、ビジネスに変革をもたらしています。ライブストリーミングはさまざまな分野でビジネスモデルを進化させており、これにはイベント内でのスポーツベッティング、オンラインオークション、オンラインカジノ、オンラインゲームなどが含まれ、スポーツストリーミングではファン同士がスポーツのライブ中継を一緒に視聴したり、テキストやチャットで対話したりすることができるようになっています。超低遅延のストリーミング技術によってソーシャルな双方向性機能を視聴体験に付加することができるようになりました。データとビデオを共有する技術を組み合わせることで、ライブビデオの適用分野を広げることができます。このホワイトペーパーでは、最新のトレンドをまとめ、ライブストリーミングのさまざまなユースケースで低遅延のストリーミングが果たす役割について解説いたします。

 

オンラインでのライブビデオの視聴が増加

 

オンラインでのビデオ視聴は、急速に増加しています。OTT(Over The Top)ストリーミングビデオの成長に支えられ、2022年までにビデオ視聴がすべてのインターネットトラフィックの82%を占めると予測されています。1 そして、ライブストリーミングもこのトレンドの例外ではありません。ビデオのライブストリーミングはエンターテイメント以外の分野においても私たちの生活の多くの領域に浸透しており、2019年には90%以上の成長を記録しました。2

 

オンライン配信における主な課題

 

ほとんどのオンラインストリーミングのビデオフォーマットにおいて、配信時の遅延は構造上不可避であり、ライブストリームが放送より30秒以上遅れる原因になっています。ストリーム配信におけるこの遅延は、視聴者がオンラインでライブイベントを視聴する際に感じる大きな不満の1つとなっています。そしてこれは視聴者の不満に留まらず、オンラインビデオ体験をより魅力的なものにする上での阻害要因にもなっています。ビデオ配信における遅延とは、ライブソースからビデオを取り込んで視聴者の画面に表示されるまでにかかる時間として定義されており、現在はこの遅延を短縮して、より優れた新しい視聴体験を提供できるストリーミング技術がいくつか開発されています。特定のユースケースにおける最適なストリーミング技術を選択するためには、ユースケース毎の遅延への要件を理解することが重要です。

 

ストリーミングにおける遅延

 

ライブオンラインストリーミングにはさまざまなユースケースがあり、遅延についてそれぞれが異なる要求を持っています。下の図は、チャンク(細分)化された従来のHTTPストリーミングフォーマットとケーブルTVにおける遅延、そしてその他のストリーミング技術によって実現できる低遅延との関係を示しています。低遅延を要求するすべてのユースケースで、Web Real-Time Communications(WebRTC)などの新しい技術が実現する1秒未満の超低遅延が必要とされるわけではありません。しかし、視聴者との双方向性をサポートしようとする場合、そのアプリケーションは1秒未満の低遅延を要求されます。

 

 

 

遅延の削減

ライブイベントがOTTプラットフォームに移行する中で、視聴フォーマットにとっての課題として残るのは、遅延時間とライブでのインタラクティブ性(双方向性機能)です。遅延時間を減らすための標準的なアプローチであるWebRTCと低遅延HLS/DASHでは、最近進歩が見られました。

 

WebRTCはリアルタイムコミュニケーションを実現するためのオープンソースのプロジェクトであり、Google、Apple、Microsoftなどによって支援されています。WebRTCは世界中へ1秒未満の低遅延でストリームを配信することができ、対話型のアプリケーションに最適です。適切に設計および実装すれば、WebRTCソリューションは放送品質のリアルタイムビデオストリーミングを安定して大規模に配信できます。これは世界最大級のコンテンツ配信ネットワーク(CDN)と統合されたライムライトの次世代Realtime Streamingソリューションの大きな特徴となっています。Realtime Streamingには、1秒未満という低遅延を実現する機能と共に、双方向性機能のサービスを提供するためのデータ共有機能も組み込まれています。データ共有機能は、イベント内でのスポーツベッティング、オンラインカジノ、オークション、ゲーム、学習など、ライブビデオストリーミングの新しいユースケースにおいて重要になりつつあります。その一方でWebRTCは、ソーシャルな視聴体験に組み込まれるライブコンテンツの配信を大規模に行うための主要なオプションとして挙がっています。

DASHおよびHLSメディアフォーマットは、現在行われている大部分のライブイベントの配信に使用されており、最新の視聴デバイスのほとんどと互換性があります。低遅延配信のオプションを適用しない場合、これらのフォーマットでは少なくとも10秒、場合によっては最大1分の遅延が発生しますが、それぞれ開発中あるいは現在使用可能なさまざまな低遅延配信のオプションが用意されています。HLSの場合だと、iOSデバイス向けのLL-HLSという仕様がAppleによって開発され実際のソリューションでの利用が始まり、また、DASH Industry ForumによるDASHのLow-Latencyモードも、ストリームの遅延を短縮するためにすでに使用されています。これらのフォーマットはどちらも、3秒という短い遅延でサポートデバイスにストリームを配信します。これらの低遅延の配信オプションは、サーバー側での広告挿入、デジタル著作権管理(DRM)、電子透かしなどの機能をストリームに付加しても放送と同等の遅延に抑えることができるため、人気のあるライブスポーツや大勢の人が視聴する大規模なライブイベントのストリーミング配信に最適です。

 

視聴者との双方向性を備えたリアルタイムストリーミングのサンプルユースケース

 

1秒未満の低遅延配信とインタラクティブ性の組み合わせが視聴者のライブストリーム体験に革新をもたらし、リアルタイムストリーミングの適用分野は急速に拡大しています。以下に、オンラインでの参加を促し、視聴者を増加させているユースケースのごく一部をご紹介します。

 

試合中のライブスポーツベッティング

 

ライブベッティングは合法的なスポーツベッティングにおける最新の技術的進歩であり、これまでのベッティング体験を大きく変えました。ライブベッティングでは、ファンは試合中にプレイの結果にベットすることができます。ベッティングを成功させるために重要なのは、ブックメーカーがゲームをモニターし、オッズをリアルタイムに再計算できるようにするための高度な分析アルゴリズムです。スポーツファンは、ゲームのライブストリームを視聴し、試合場でのプレイに基づいてスポーツブック用のウェブサイトを通じてリアルタイムにベットすることができます。

 

業界の課題

 

従来型のライブストリーミングの遅延時間は長く、これはサービス提供側から見るとベッティングの時間が短くなることで、収益の減少を招いていました。また、オンラインで参加するファンにとっては、試合場で直接参加しているファンと比較して、重大な不利益を被るなどの影響がありました。

 

ソリューション

 

これらの課題は、Realtime Streamingによって解決できます。1秒未満の低遅延を実現し、それにビデオとデータの共有機能を組み合わせることでベットを増やすことが可能になり、オンラインで参加するファンが直接参加しているファンと同じレベルで試合中のベッティングに参加できます。

 

オンラインカジノ

 

オンラインカジノの人気が高まっています。オンラインでカジノに参加したい人はあらゆる場所にいるため、潜在的な市場は世界中に拡大しています。オンラインカジノでは通常、本物のディーラーとビデオカメラを使ってテーブルを用意します。オンラインの参加者は、モバイルデバイスまたはコンピューターを介してウェブサイト上のカジノにアクセスします。オンラインカジノ用に開発されたアプリケーションまたはサードパーティのプラットフォームは、資金の入金や支払い、テーブルでのアクションの通知などを行うためのインターフェイスを提供します。

 

業界の課題

 

業界にとっての重要な課題は、世界中のどこにいても同じオンラインゲームに参加できることを担保する方法、オンラインカジノと参加者の間でデータを共有する方法、ベットを受け付ける方法、資金を支払う方法です。公平性を確保し、ゲームの進行速度を維持するために、すべての参加者がカードのオープンやダイスの目を同時に確認できる必要があります。

 

ソリューション

 

Realtime Streamingを使用してゲーム中のビデオをオンライン参加者にストリーミングすれば、これらの課題を解決することができます。オンライン参加者にとって実際の遅延時間は重要ですが、遅延が世界中のどこでも一定しているということも同様に重要です。

 

オンライン参加者によるライブオークション

 

ライブオークションにリモートから参加することは、一般に行われています。Realtime Streamingを使用してオークション会場からライブビデオをストリーム配信することで、オンラインの入札者もその場にいるかのような体験ができます。リアルタイムのストリームは、オークションのオンライン入札アプリケーションを補完し、オンラインの入札者もリアルタイムにオークションに参加することができます。

 

業界の課題

 

一般的なHLSおよびDASHのチャンク(細分)化されたストリーミングでは、オンラインビデオと実際のオークションの間に最大30秒以上の遅延が発生します。この遅延のため、オンラインの参加者はリアルタイムに入札することができません。ライブビデオを1秒未満の遅延で配信できれば、入札プロセスにおいて公平な競争条件を確保することができます。

 

ソリューション

 

これらの課題を解決するために、ライムライトのRealtime Streamingには、オークションビデオをライブストリーミングし、オンライン参加者と現地の参加者の間の競争条件を平準化するために必要な機能が用意されています。遅延が1秒未満であれば、オンライン参加者は現地の参加者と同時にオークションに参加することができ、自信を持って入札できます。

 

ライブトリビア(クイズ)

 

ライブのクイズイベントは、イベント主催者からのビデオストリームを表示し、さらにクイズを表示するデータフィールドを備えたアプリを使って行われ、参加者はアプリ経由で回答します。クイズイベントの中には、このインタラクティブ性によって多くの参加者を惹きつけています。

 

業界の課題

 

オンラインの参加者は、可能な限り短く平等な遅延時間の下でライブストリームとクイズを受信する必要があり、そうすることですべての参加者に平等な機会が与えられます。

 

ソリューション

 

Realtime Streamingは、1秒未満の一貫した低遅延と、ビデオとのデータ共有をサポートしており、すべてのオンライン参加者が同時にクイズを受け取り、リアルタイムに回答できます。一部のクイズイベントでは、独自のアプリを作成したり、サードパーティのプラットフォームを利用したりして、Realtime Streamingをビデオストリームの配信のためにだけ使う場合もあります。

 

低遅延ストリーミングのサンプルユースケース

 

人気のあるライブスポーツイベント

 

最大級のライブスポーツイベントには、膨大なストリーミング視聴者が集まります。これらの試合のストリーミング配信の権利を持つ放送局やソーシャルメディア企業は、広告やサブスクリプションによってストリームを収益化しています。多くの視聴者にリーチするために十分なストリーミング容量を確保し、高い信頼性でストリーム配信するために、マルチCDNによる配信が採用されます。

 

業界の課題

 

HLSやDASHなどは、現時点でのストリーム配信のための標準的なメディアフォーマットですが、遅延時間は通常の放送よりもはるかに長くなります。オンライン視聴者はより短い遅延を要求しており、オンラインでスポーツのライブ中継を体験できるようにするためには放送に近い遅延を実現し、収益化のための広告挿入などの拡張機能もサポートできるストリーミングフォーマットが必要です。

 

ソリューション

 

低遅延HLSやDASHは、わずか3秒の遅延でストリームを配信でき、大規模なグローバルCDNの配信容量を活用して放送と遜色ない遅延を実現し、同時に動的な広告挿入、DRM、フォレンジック電子透かしなどの機能をストリームに拡張します。

 

まとめ

 

ライブストリーム配信時の遅延を短縮することは、視聴者をライブコンテンツに誘導するための重要な要素です。遅延を短くすることで、イベント内のスポーツベッティング、オンラインギャンブル、オンラインオークションなどの新しい双方向型のオンライン体験を提供することが可能になり、その他にも多くの新しいビジネスチャンスが生まれます。これを効果的かつ大規模に行うためには、さまざまな低遅延ストリーム配信オプションを用意したCDNが必要です。

 

さらに詳しく

 

ライムライトのCDNは、現代のライブオンラインビデオ環境の下で優れたパフォーマンスを発揮するために必要な拡張性と高品質のエクスペリエンスを提供し、低遅延のオンラインビデオ配信を行えるように設計されています。

詳細については、https://www.limelightnetworks.jp/products/video-delivery/をご覧ください。

 

1 https://www.fiercevideo.com/video/video-will-account-for-82-all-internet-traffic-by-2022-cisco-says

2 https://www.streamingmedia.com/Articles/News/Online-Video-News/On-Demand-Viewing-Growing-Much-Faster-Than-Live-Says-Conviva-133418.aspx