デジタル化に舵を切るラジオ放送局が選択した配信基盤
ライムライト・ネットワークスのCDNサービスが
TOKYO FMのデジタルコンテンツ配信を強力にサポート
大手民間FM放送局「TOKYO FM」は1970年の開局以来、高音質な特性を活かした音楽番組中心の編成による放送を提供し、多くのリスナーを獲得してきました。また、インターネットの台頭やコンテンツのデジタル化など、技術革新に伴う事業環境の変化をいち早く捉え、早くからラジオ放送とポッドキャストを連動させた番組づくりを行うなど、デジタル領域における新事業展開も積極的に推進しています。そうしたTOKYO FMのデジタルコンテンツの高品質で安定した配信を支えているのが、ライムライト・ネットワークスの「Content Delivery Network(CDN)」サービスです。
TOKYO FM の課題
音声メディアとしての強みを活かしたデジタル領域における新規事業を積極的に展開
1970年に首都圏初の民間FM放送局として開局し、2020年には開局50周年を迎えるTOKYO FM。1981年には全国FM放送協議会(JFN)を設立、音声メディアとしては最大の規模となる、北海道から沖縄までに至る全国38局ネットワークのキー局として多彩な番組を放送しています。
TOKYO FMは、音声メディアとしての強みを活かしながら、デジタル領域における新規事業にも積極的に取り組んできました。ポッドキャストも早くから手掛けており、同アプリでしか聴けないスペシャルコンテンツをオンデマンド配信するなど、新しいラジオ体験をリスナーに提供しています。こうしたラジオとPC、スマートデバイスアプリとの結合をはじめ、ネット動画やSNSとの連動、音声ターゲティング広告の展開など、新たな取り組みを積極的に推進しています。
デジタル戦略局コンテンツ部の吉竹賢人氏は、「TOKYO FMは比較的早い時期からデジタル事業に参入しており、以降、時代の潮流と事業収益性を見定めながら、多彩なデジタルコンテンツの配信に取り組んできました。今後も5G(次世代移動通信システム)時代の到来を見据え、ラジオ放送と連動したリアルタイムコンテンツや、動画を含めたリッチコンテンツの配信など、従来のラジオ放送の枠組みを超えたコンテンツ作りに注力してきたいと考えています」と説明します。
TOKYO FM の要件
SNSの普及等により、突発的なアクセスが増加
安定配信を実現するための基盤作りに苦労
TOKYO FMが提供している主力デジタルコンテンツの1つであり、多くのリスナーやファンを抱えているのが、ポッドキャストです。日本を代表するトップランナー、アーティスト、識者をパーソナリティに迎え、音楽からニュース、ライフスタイル、ドキュメンタリー等、多彩なプログラムを提供しています。吉竹氏は、「2000年頃からポッドキャストを開始しましたが、ラジオ局が配信するサービスとして音質にこだわるとともに、安定した配信が必須と考え、継続してシステムの強化に取り組んできました」と説明します。
その一方で、各番組ホームページへのアクセス数も年を追うごとに増加し、運営に関する負荷も上昇し続けていたと言います。その背景にあるのは、デジタルコンテンツの利用増加、PCやスマートデバイスなど聴取環境の裾野の広がり、そしてSNSの普及です。
「例えば、ラジオ放送でパーソナリティが番組ホームページへのアクセスを呼び掛けたり、特別番組の放送前にはスポンサーや人気アーティストがオフィシャルページやSNS等で告知したりすると、番組ホームページに対して急激なアクセス増、すなわち“スパイク”が発生します。特にSNSによる告知は拡散スピードが速く、事前にアクセス量を予測して負荷分散等の対策を講じたとしても、予測をはるかに上回る突発的なアクセスが押し寄せることも少なくありません。もちろん、多大なコストをかけてサイトのシステムを大がかりなものにすれば、突発的な事象にも対応可能になりますが、事業採算性も考慮しなければならず、品質とコストのバランスの最適化にはとても苦労していました」(吉竹氏)
TOKYO FM の選択
ライムライト・ネットワークスのCDNサービスを活用し
突発的なアクセス増に際しても、安定したコンテンツ配信を実現
これらの課題を解消し、TOKYO FMのデジタルコンテンツの高品質かつ安定した配信を支えているのが、ライムライト・ネットワークスのCDNサービスです。「2011年頃からポッドキャストの配信基盤としてライムライト・ネットワークスのCDNサービスを利用し続けていますが、障害やシステムダウンが発生したこともなく、非常に安定した配信を維持してくれています」と吉竹氏は評価します。
「実際、ポッドキャストに対してはリスナーからもクレームが寄せられたことはありません。蛇口をひねれば水が出るように、全くストレスもなく当たり前のようにサービスを利用してもらえていることは、ライムライト・ネットワークスのCDNサービスに対する大きな評価ポイントです」(吉竹氏)
ポッドキャストの配信以外にも威力を発揮しているのが、番組ホームページにおけるスパイク対策での用途です。吉竹氏は、「先にも述べたように、番組ホームページに対して突発的なアクセス増が発生するケースがあります。対して、一時的に番組ホームページのトップページをインデックスのみを記した静的ページ化し、そこから特設サイトに分岐させるようにしています。そこで使用される画像やコンテンツなどはライムライト・ネットワークスのCDNサービス側に配置するわけです。スパイクが発生しそうなケースでは、事前にこのような対処を行うことで、安定した配信を実現しています」と説明します。
「ライムライト・ネットワークスのCDNサービスを利用することで、突発的なアクセス増に対処するために配信基盤の再設計やチューニングを都度、行わなくても済んでいます。また、Webサーバーやデータベースサーバー等のリソースを増強しなくてもアクセス増に対応できているので、コスト抑制の観点からも高い効果を享受できていると考えています」(吉竹氏)
このほかにも、ライムライト・ネットワークスの「SmartPurge」機能により、ほぼリアルタイムによるキャッシュの削除(パージ)が可能となったこともメリットに挙げています。例えば、地上波のラジオ放送と連動しているコンテンツなどでは、地上波放送に合わせて内容の差し替えや改訂を行うことも少なくないといいます。「これまでは、そうしたコンテンツのキャッシュクリアに手間がかかったりタイムラグが生じたりすることもありました。対して、SmartPurgeを活用することで、CDNサービスの管理画面から確実に、迅速にキャッシュクリアが行えるようになっています」と吉竹氏は評価します。
このようなCDNサービスの安定性、機能性だけでなく、ライムライト・ネットワークスのサポート体制も評価ポイントです。吉竹氏は、「何か不明点や相談したいことがあったら、営業担当者やエンジニアに連絡すればすぐに答えてくれるので、とても安心感があります。また、海外の最新CDN事情に関する情報や最適なコンテンツ配信を維持できるようなアドバイスを継続的に提供してくれることも、ありがたいですね」と話します。
ライムライト・ネットワークスのCDNサービスを活用することで、高品質かつ安定したコンテンツ配信を維持しているTOKYO FM。吉竹氏はライムライト・ネットワークスに対して、「引き続き高信頼なサービスの提供を期待しています。また、TOKYO FMがデジタル戦略を推進していくにあたり、共に新しいデジタルコンテンツ配信の未来図が描けるような関係性が築ければ嬉しいですね」と、期待を述べました。