日本のゲーマーのプレイ時間は伸びており、セキュリティにも関心
世界最大規模のプライベート・ネットワーク経由で配信されるコンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN)を提供するライムライト・ネットワークスは、オンラインゲームの利用状況に関する実態について、週に1回以上ビデオゲームを行う日本、フランス、ドイツ、インド、イタリア、シンガポール、韓国、イギリス、米国の9ヵ国の18歳以上の4,500人のゲーマーを対象にアンケート調査を実施し、その結果からグローバルの傾向と日本の特徴をまとめました。
日本のゲーマーは2極化しているが、カジュアルゲーマーの割合は減少し、全体のプレイ時間は伸張1週間あたりのゲーム時間のグローバル平均は7.11時間で、昨年の5.96時間から大幅に増加しました。日本の平均は6.88時間で、これも昨年の5.48時間から長くなっています。日本では週に1時間未満しかゲームをしないカジュアルゲーマーと20時間以上プレイするヘビーゲーマーの比率が世界で最も高く、2極化しています。しかしカジュアルゲーマーの比率は昨年の32%からは大幅に減少しており、2極化が続きながらも全体が長時間へシフトしており、それが平均時間の増加に繋がっています。
1週間のうち、どれくらいの時間をゲームに使っていますか?
ゲームの中心はスマートフォン
世界的にもスマートフォンでゲームをする時間が長い傾向にありますが、日本では特に長く、他の国を抑えてトップに立っています。その分、タブレットやPCなどでのプレイ時間は世界平均よりも低くなっています。
これらのデバイスでゲームをする頻度はどれくらいですか? (0-4で回答)
日本のゲーマーは他のゲーマーのプレイ動画を視聴することを好む
日本のゲーマーは、eスポーツを見るよりも他の人のプレイ動画を見る時間が長く、週に1.70時間使っています。これはテレビ放送でスポーツを見ている時間(週1.54時間)よりも長いですが、いずれも世界平均よりは短い時間です。
1週間で、これらのコンテンツをどれくらいの時間視聴しますか?
ゲーマーはどの国でも、パッケージ購入よりもダウンロードを好む
どの国でも、ゲーム購入にダウンロードを利用するユーザーが最も多く、日本でも同様です。ただし日本では、パッケージを購入したり交換したり借りたりすることも多く、ダウンロードを利用するユーザーの割合は他国よりも低くなっています。
どのような方法でゲームを購入(入手)しますか?
ゲーマーの不満はダウンロード時間の長さ
日本では、ゲーマーの38.7%がゲームのダウンロードに時間がかかることを不満に思っており、世界平均の33.8%を上回っています。
ゲームをダウンロードする際に不満を感じる点は何ですか?
日本のヘビーゲーマーの連続プレイ時間は世界一
日本のゲーマーがこれまでプレイしたことのある最長時間の平均は5.14時間で、世界一でした。15時間以上連続してプレイしたことがあると答えたゲーマーが8%で、これも世界一です。
これまでに最長どれくらいの時間ゲームを続けたことがありますか?
日本人は仕事も約束も守る
韓国では、約7割がゲームのために睡眠を削っています。日本はドイツと並び食事を逃すゲーマーが約4割いますが、仕事を忘れることは世界平均よりも少なく、友人との約束を守ることについては世界一です。
ゲームをしていてするのを忘れてしまったことはどれですか?(該当するものをすべて選択)
プロゲーマーへの憧れは日本が最も低い
eスポーツの賞金が上昇し続けており、優勝賞金が数億円を越える大会も珍しくありません。グローバルでは、やっていけると思えば36%が仕事をやめプロのゲーマーになると回答しています。日本では全体的に見れば14%と高くはありませんが、2極化した日本のゲーマーの中で、ヘビーゲーマーに限れば比率は低くないと考えられます。
プロのゲームプレイヤーになれるとしたら、今の仕事を辞めても良いと思いますか?
セキュリティは大きな関心事
ゲーマーがセキュリティを重視するのは世界共通ですが、日本では62.6%のゲーマーが、以前にセキュリティ侵害を経験したりハッキングされたゲームウェブサイトでオンラインゲームをプレイし続けたり、ゲームを購入したりしないと回答しています。これは、世界でも2番目に高い数値です。
ゲームサイトがセキュリティ侵害に遭った場合、そのサイトからのゲームの購入やプレイを続けますか?
結論と提言
以上、日本の特徴を中心に調査の内容をご紹介してまいりました。日本ではあまりゲームをしないカジュアルゲーマーと、週20時間以上ゲームをするヘビーゲーマーの割合が高く、これは昨年同様にゲーマーが2極化していることを示しています。しかし、カジュアルゲーマーの割合は減っており、全体としてのゲーム時間は増えています。また、ヘビーゲーマーの連続プレイ時間は世界一です。日本でも今後はゲーマーからのネットへの要求が高まっていくことは間違いありません。
ゲーマーとの関係性を良好に保つためには、高品質なエクスペリエンスを提供することが重要であり、マーケティングと収益の機会を最大限に活用するために、ゲームベンダーとゲーム配信サイトは、以下の点を考慮する必要があります。
ゲームのダウンロードプロセスを最適化する
日本のゲーマーの半数以上は、パッケージを購入するよりもゲームをダウンロードすることを好みます。しかし、全体の4割近くがダウンロードに時間がかかりすぎると回答しており、この数値は世界平均を上回っています。メジャーなバージョンアップやアップデートが行われたときに、すべてのゲーマーに最速のダウンロード体験を提供しなければ、ゲーマーとの良好な関係は保てません。そのためには、世界規模の容量とパフォーマンスを備えたContent Delivery Network(CDN)のサービスを利用することが近道です。
緊密に結合されたキャッシングアーキテクチャを持ち、ISPや主要なエンドユーザーネットワークと直接接続されたCDNは、ゲーマーが最寄りのアクセスポイントからゲームをダウンロードできるようにすることで、最高のパフォーマンスを提供します。CDNを利用する際には、ゲームのリリース後、すべてのゲーマーに即座に最速のダウンロードパフォーマンスを提供するために、あらかじめキャッシュにゲームソフトウェアをロードしておくことをお勧めします。
クラウドベースのセキュリティソリューションを実装してインフラを保護する
日本のゲーマーは、オンラインウェブサイトのセキュリティを特に心配しています。サイトが侵害された場合、ゲームベンダーとゲーム配信サイトの収益に即時的かつ長期的な影響を及ぼします。日本のゲーマーの63%近くが、以前にセキュリティ侵害を経験したことのあるサイトではゲームを購入したりプレイすることは無いと回答しています。
ウェブインフラと重要な顧客データを保護するために、ウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)を利用してウェブサーバーを悪意のある攻撃から保護する必要があります。WAFをCDNに統合することで、WAFはキャッシュされていない動的コンテンツまたはコンテンツへのリクエストのみを検査すれば良いことになり、全体的なコンテンツ配信パフォーマンスが向上します。
また、ウェブインフラストラクチャの潜在的なセキュリティ脆弱性を悪用しようとするために使用される悪意のあるボットを防ぐために、ボットトラフィックを検知して管理するソリューションも採用するべきです。さらに、分散型サービス拒否(DDoS)による大規模な大量攻撃によってサイトが圧倒されないようにするための対策も必須です。DDoS攻撃の下で最大限の保護とパフォーマンスを実現するためには、CDNネットワークと統合され、大規模なスクラビング機能を備えたDDoS攻撃緩和ソリューションが有効で、これにより大規模な攻撃の間でもサイトのパフォーマンスが影響を受けないようにできます。
日本の状況
日本でも、ゲーミング環境下でのCDNの必要性については世界の傾向と変わりません。
・ 日本のゲーマーの38.7%は、ファイルをダウンロードするためにかかる時間に不満を抱いており、昨年の37.2%よりも増加しました。
・ 他のゲーマーのプレイ動画を視聴するゲーマーが多い日本では、ビデオ配信のパフォーマンスが重要です。これは今後拡大が見込まれ
るeスポーツ観戦でも重要になります。
・ 週20時間以上プレイするヘビーゲーマーの割合が高く、連続プレイ時間が世界でも最も長い日本では、高速で低遅延な通信インフラ
への要求は厳しく、今後世界的なeスポーツのトーナメントに参加するゲーマーが増えてくれば、その要求はさらに高まるでしょう。
・ セキュリティについても、侵害されたサイトを利用しないと回答した比率はグローバルの平均を上回っています。