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CASE STUDY:株式会NTTドコモ

スマートフォンのファームウェア更新の配信負荷削減とともにお客様サービス向上を目指し、NTTドコモが選択したライムライト・ネットワークスのCDNサービス

 

「新しいコミュニケーション文化の世界の創造」を企業理念に掲げ、モバイルサービスの進化と新しい価値の創造に取り組み続ける株式会社 NTTドコモ(以下、NTTドコモ)。第 5世代移動通信システム(5G)時代の到来を見据えた革新的なサービスの創出と提供に向け、ビジネス領域を拡大させています。そうした同社において、近年、課題として浮上していたのが、Android OSスマートフォンのファームウェア更新における配信基盤の見直しです。利用者の増加とファームウェアのファイルサイズの肥大化が続く中、利用者に対してより迅速でセキュアな配信を実現するためにNTTドコモが選択したのは、ライムライト・ネットワークスのCDNサービスでした。

 

NTTドコモの課題
利用者増とファイルサイズの肥大化で

スマートフォンのファームウェア更新の負荷が増大

 

2017年度からの新たな中期戦略となる「beyond宣言」を策定した NTTドコモ。この宣言では、2020年のその先を見据え、顧客に向けた「マーケットリーダー宣言」「スタイル革新宣言」「安心快適サポート宣言」、パートナーに向けた「産業創出宣言」「ソリューション協創宣言」「パートナー商流拡大宣言」の 6つが掲げられており、ビジネスパートナーと共に新しい価値を協創することで顧客に驚きと感動を提供し、豊かな未来を作っていくというメッセージが込められています。

プロダクト部 プロダクトイノベーション担当課長を務める南本氏は、「モバイル市場が成熟期を迎えた中、NTTドコモは次なる成長を目指し、5Gをはじめ、VRや AI、IoT等の新技術を活用した、従来の通信事業だけに留まらない新しいサービス領域へと踏み出しています」と説明します。その一方で、コスト効率化に向けた取り組みも積極的に進められています。

中でも喫緊の課題として浮上していたのが、Android OSスマートフォンのファームウェア更新にまつわる配信基盤の見直しでした。これまで NTTドコモは自社構築した FOTA(Firmware OverThe-Air)サーバーを用いて、ファームウェアの更新サービスを提供してきました。利用者やデバイスの増加には、FOTAサーバーやネットワーク等の増強で対応してきたといいます。

しかし、近年、スマートフォン利用者の増加に加え、Googleが開発するAndroid OSも機能追加やセキュリティ強化等の目的から、ファイルサイズの肥大化や配信頻度増加の傾向にあり、より効率的な配信の必要性が増していました。R&Dイノベーション本部 ネットワーク開発部サービス制御担当課長の杉原学氏は、「今後の利用者増やファイルサイズの肥大化にも柔軟に対応できる配信手段の実現に向け、外部技術の積極的活用を含め、現状のシステムをより効率的な配信基盤へ進化させることが求められていたのです」と話します。

 

NTTドコモの要件
CDNサービスの効力を実感しつつもさらなる運用管理負荷削減と、

サービス要件の実現を検証へ

 

これらの解決策として、俎上に挙げられたのが、Content Delivery Network(CDN)サービスの活用です。「ファイル容量の増加も、更新時期もこちら側で正確に予測できず、かつ、突発的に大きなピークを迎えるような配信には、従来通り自社でシステムを構築するのではなく外部のCDNサービスの利用が最適だと考えました」と南氏は言います。NTTドコモでは CDNサービスの導入に向け、「ネットワーク交換機に登録するIPアドレスを固定し、メンテナンスの負担を削減できること」「無料/有料通信のトラフィックを区別できること」「HTTPSでのファイル配信など、厳しいセキュリティ基準を満たせること」「Wi-FiからLTE/3G網へ利用者が移動しても、ファイルダウンロードが継続できるなど、現状のサービスレベル維持すること」を要件に掲げ、ベンダー各社に提案を依頼しました。

 

NTTドコモの選択
NTTドコモが求める要件をすべて満たした

ライムライト・ネットワークス独自の集中型アーキテクチャ

 

NTTドコモが掲げた要件をすべて満たすサービスとして、最終的に選択されたのは、ライムライト・ネットワークスの CDNサービスでした。採用の決め手となったのは、ライムライト・ネットワークス独自の集中型アーキテクチャです。分散型のCDNサービスと異なり、大規模配信拠点となるアクセスポイントで集中制御を行う同社のアーキテクチャであれば、利用者のデバイスがアクセスするIPアドレスを固定・最小化できるとともに、無料通信を実現する仮想 IPの設定、そして、ユーザー認証やセキュアな通信も同時に可能となるからです。

加えて、グローバルでの大手通信事業者や端末メーカーにおける豊富な導入実績や、ユーザーの要望を取り入れた機能追加の実績も評価ポイントとなりました。杉原氏は、「2016年 9月に検証環境を構築し技術検証を行ったのですが、求めていた要件すべてで問題は見受けられず、安定した配信が可能であることが確認できました。また、ライムライト・ネットワークスには SSL証明書の設定や環境設定も迅速に対応してもらえ、スムーズに検証を終えることができました」と評価します。
技術検証を経て、NTTドコモは 2017年 2月からライムライト・ネットワークスの CDNサービスの利用を開始しましたが、以後、高品質かつ安定した更新ファイルの配信が実現されています。

南氏は、「ライムライト・ネットワークスの集中型アーキテクチャにより高いキャッシュヒット率が実現されており、サービスの開始以後、非常に高いパフォーマンスを維持しています」と評価します。杉原氏も「期待した通りの効果を享受できています。将来的に更新ファイルのサイズが現在の 1.5〜 2倍に増えたとしても、ボトルネックになる要素がないことの事前確認まで行えており、今後の利用者やファイル容量増加にも柔軟に対応可能な配信基盤が実現できました」と話します。

なお、NTTドコモ網とライムライト・ネットワークス網間のトラフィックの増加が今後も継続的に見込まれるため、現在、他社ネットワークを介さない、ピアリング接続を進めています。これにより中間費用が無くなり、さらなるコスト削減が見込めているといいます。

CDNサービスの導入で、通信事業者側で予測できない更新ファイルの容量増にも、将来に亘って対応可能な配信基盤を実現できたNTTドコモ。今後は、セキュリティパッチの配信にもライムライト・ネットワークスのCDNサービスを活用する計画です。

今回のプロジェクトを振り返り、杉原氏は、「ライムライト・ネットワークスには日本法人のスタッフだけでなく本国のスタッフからも詳細に技術的な説明と海外の導入事例を紹介してもらえたことで、深くCDN技術を理解した上で十分な検討が行えました。また、接続検証も迅速な対応によりスムーズに完了できました。加えて、技術面での十分なサポートにより、導入まで短期間で成果を挙げられました」と話します。

南氏も「CDNサービスの導入は、私たちにとって初めてとなるチャレンジングなプロジェクトであり、当初はお互いに苦労したところもありました。しかし、ライムライト・ネットワークスの協力により、プロジェクトを成功に導くことができました。今後もさらなる改善に向けて、引き続きライムライト・ネットワークスには変わらぬ支援を頂きたいと考えています」と期待を寄せます。