概要
世界最大規模のプライベート・ネットワーク経由で配信されるコンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN)を提供するライムライト・ネットワークスは、デジタルライフスタイルに関する実態について、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、マレーシア、シンガポール、韓国、英国、アメリカ合衆国の18歳以上の回答者5,000人を対象にアンケート調査を実施しました。質問には、デジタルメディアの利用方法、デジタルアシスタントやインターネット接続デバイスの利用率、テクノロジーが生活にどのように影響しているかなどが含まれています。それらの結果から、グローバルの傾向と日本の特徴をまとめました。
日本では音楽よりもアプリへのアクセスが多い
グローバルには、オンラインでアクセスするコンテンツは音楽がトップですが、日本だけはアプリがトップになりました。全体の平均でも日本は最も低くなっており、オンラインメディアの利用は進んでいません。
どれくらいの頻度でこれらのデジタルコンテンツにオンラインでアクセス、あるいはダウンロードやストリーミングしていますか? (0-4で回答)
ビデオ視聴は世界的にストリーミングに移行しているが、日本ではDVDの購入・レンタルも多い
映画やテレビ番組の視聴で最も多いのはストリーミングです。日本でもストリーミングが最も多いことに変わりはありませんが、一方でDVDを購入/レンタルする人の割合も突出しており、二極化していることがわかります。
映画やデレビ番組をどのように入手しますか?
音楽も世界的にストリーミングに移行しているが、日本ではCDの購入が多い
音楽はビデオに比べてダウンロード率が高い傾向にあります。日本も同様ですが、CDを購入している人の割合も世界トップです。
音楽をどのように入手しますか?
ビデオゲームのダウンロードは日本が最も多い
一方でビデオゲームについては、日本は世界で最もダウンロード率の高い国になっています。
ビデオゲームをどのように入手しますか?
書籍もハードコピーを購入する比率が高い
書籍については、世界的にもハードコピーを購入する人が未だに多いですが、日本はここでも世界一です。
書籍をどのように入手しますか?
新聞をハードコピーで購入する比率は日本が突出
新聞については、ハードコピーを購入している人の比率が日本が突出しています。
新聞をどのように入手しますか?
スマートスピーカーの普及率は日本が最低
Amazon EchoやGoogle Homeなどのデジタルアシスタントの普及率は日本が最低で、購入予定の無い割合も世界一です。
デジタルアシスタントを持っていますか? あるいは購入の予定はありますか?
携帯電話への依存度は世界的に高い
携帯電話無しでいられないのは万国共通のようですが、日本もその例に漏れません。
携帯電話無しでどれくらいの間いられますか?
デジタル技術が生活に与えた影響
オンラインデジタル技術が生活に良い影響を与えたか、悪い影響を与えたかを聞いたところ、全体の8割が良くなったと答えましたが、「日本は関係ない」が多く、平均値は低くなっています。
オンラインデジタル技術が生活にどのような影響を与えましたか? (-2~+2)
デジタルコンテンツの利用中に感じる不満
デジタルコンテンツの利用中に感じる不満については、再生の停止やダウンロード時間、エラーによる中断などが挙げられており、これは全世界で概ね共通しています。
デジタルコンテンツ利用中に感じる不満は何ですか?
問題発生は誰の責任?
ダウンロードやストリーミングに問題がある場合、ISP(Internet Service Provider)の責任と考える人が全体の半数を占めています。日本ではISPと考える人は少なく、コンテンツ提供元と考える人が最も高くなっています。
ダウンロードやストリーミングに問題がある場合、誰の責任だと思いますか?
結論と提言
以上、日本の特徴を中心に調査の内容をご紹介してきましたが、日本の消費者は、デジタルメディアの利用に対して世界で最も懐疑的であり、デジタル技術がライフスタイルに与える影響についても過大な評価を避ける傾向にあります。特に、他の国の消費者よりも物理的なメディアを好む傾向にあり、未だにCD/DVD、あるいは紙の新聞を購入しています。また、スマートスピーカーなどのデジタルアシスタントやセキュリティデバイスの利用も進んでいません。
しかし一方で、ビデオゲームのダウンロード率は最も高く、携帯電話への依存も他国並みです。ほぼ半数(45.9%)が、携帯電話の使用を1日以上止めることはできません。
そしてほぼ3分の1がビデオのリバッファリングに不満を持っており、ダウンロードの速度がそれに続きます。この傾向も世界の他の国々と変わりませんが、ダウンロードが遅かったりコンテンツ再生が中断された場合にはISPと同時にコンテンツプロバイダーの責任と考える傾向が他の国よりも強いため、コンテンツ配信を行う企業は配信のパフォーマンスにも気を配る必要があります。
日本ではストリーミングの利用が一般的で無いという結果になっていますが、これは逆に、今後伸びる余地が大きいということでもあります。ストリーミングの普及に備え、顧客基盤を拡大するために、デジタルコンテンツプロバイダーはCDNを使用して、特に利用者の多いモバイルデバイスへ向けて最高のストリーミング体験を確実に提供できるように体制を整える必要があるでしょう。